ハチは「刺す生き物」と思われがちですが、何でもかんでも人を刺しているわけではありません。スズメバチはその時の状態によって、人が巣に近付いただけで威嚇・攻撃してくる場合もありますが、刺激したり無理に手で捕まえたりしないかぎり滅多に人を刺すことはありません。
毎年、初夏から秋にかけてハチの被害が報道されます。刺された人にとってハチは悪者に思われます。しかし、実はハチも被害者なのです。人間が自然を破壊し、身の回りに他生物が住みやすい環境を作ってしまったことが原因の一つだからです。
巣を見つけても無闇に駆除するのではなく、危険がないようでしたらそのまま見守るのが良いかと思います。ハチも地球の生態系を構成する大切な一員です。
オオスズメバチ
コガタスズメバチと似ていますがこちらの方が大きいです。羽音も違いますし、後頭部も広くなっています。山間地や低山で良く見られるハチで、巣はおもに地中に作ります。かなり危険なので近寄らない方が良いです。
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ヒメスズメバチ
オオスズメバチにつぐ大きさです。お腹の端が黒いので他のスズメバチとすぐに見分けがつきます。人を襲うことはあまりないらしいですが、スズメバチの仲間ですので、やはり近づかないほうが良いかと思います。
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モンスズメバチ
一見、コガタスズメバチに似ていますが、お腹の模様に特徴があります。普段はあまり見かけませんが、人を襲うこともありますので、巣には近づかない方が良いでしょう。
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コガタスズメバチ
コガタといってもそれほど小さい訳ではなく、平野部や低山帯によく見かけます。軒下や枝葉の茂った樹木などにスイカほどの大きさの巣を作ります。それほど攻撃的ではなく、少しくらい巣に近付いても襲ったりしませんが、友好的というわけではない。
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キイロスズメバチ
やや小型のスズメバチ。全身が、黄色く短い毛に覆われているのが特徴です。やはり平野部でよく見られるハチで、刺される被害もこのハチによるものが一番多いらしいので、巣にはあまり近付かないほうが良いでしょう。
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クロスズメバチ
黒くて小さいスズメバチです。攻撃性はそれほど無く、巣は地中に作ります。地域によってはこのハチの子を食用にしたりします。
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セグロアシナガバチ
キアシナガバチとよく似ている。アシナガバチの種類中では大型で、フタモンアシナガバチとともに平野部で最もよく見かけます。巣を刺激しないかぎり人を襲うことは無いらしいが、あまり関わらならないほうが良いでしょう。軒下によく巣を作る。
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フタモンアシナガバチ
平野部でよく見られる小さなアシナガバチ。攻撃性は少なく、手で捕まえたりしないかぎり刺すことはありませんが、何故か?干しておいた洗濯物に付いたまま取り込んでしまうことがあるので要注意!
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キボシアシナガバチ
黒と茶色の小型のアシナガバチ。巣のサナギ部屋に黄色いフタをするのでこの名が付きました。低山や山際の林に生息し、木の枝や葉の裏側などの低い位置に巣を付ける。
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ホソアシナガバチ
細身のアシナガバチ。低山で良く見られます。全体的に黒が淡くて弱々しい。人を刺すようには見えないが?巣はおもに木の枝や葉の裏側に作ります。
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ミツバチ
皆さん良くご存知の小型の可愛らしいハチ。大人しいハチだが、うっかり衣服の衿や袖に入ってしまった場合に刺すことがあります。刺したハチは、針が内臓の一部と共に抜けてしまうので死んでしまいます。巣は樹木の空洞や岩の隙間、墓石の中にも作る。
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クマバチ
平野部や低山帯でよく見かけるハチで、風貌は熊のようです。一見して怖そうだが性格は大人しい。スズメバチやミツバチのような集団生活はしません。巣は枯れ木にトンネルを掘って作る。
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人の行動範囲から遠く離れた場所に巣を発見したのなら見て見ぬふりをしましょう、気が付いても気が付かないふりをしましょう。そうすれば相手は警戒しませんからむやみに襲ってくることはしません。晩秋になればすべて居なくなりますのでご安心を・・・。
但し、巣から4〜5mくらいの近さを通過する場合は注意しましょう。巣が小さければまだ安心ですが、秋口には捕食する昆虫が少なくなる為危険です。この頃のハチはものすごく緊張感が高まり、攻撃的な性格に変わります。このような時期は人が通っただけでも巣から一斉に飛び出て来て攻撃態勢(スクランブル態勢)に入ります。その後は威嚇に入り、それでも相手が遠ざからないようであれば今度は(攻撃実行)に入ります。
こうして人は『何か自分が相手に悪いことでもしたの?』などと思いながら被害を被ることとなるわけです。皆さんはこうなる前に何とかしてください。どうするか?それは専門家に任せるべきです。痛い思いをしたり命にかかわる前に一刻も早く対処してもらってください。
写真提供:若林様(http://homepage2.nifty.com/takibi_club/)
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